大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 昭和41年(ネ)2539号・昭42年(ネ)137号 判決

次に、上記解除の意思表示は、その前提である適法な催告を欠くから無効であるとの控訴人らの主張について判断するに、冒頭判示の事実によれば、上記解除の意思表示は、控訴人ら主張の如く、前記催告の時から約五年四ケ月を経過した後になされたものであることが明らかである。しかしながら、前記催告と上記解除の意思表示との間に約五年四ケ月の日時が存したにしても、そのことだけで前記催告が前提たる催告としての効力を失うものと認めるべき根拠はない。却つて、原審における被控訴人木村薫本人の供述によれば、亡木村耕治は前記催告の後においても、しばしば控訴人鈴木とわに対し前記延滞賃料の支払を請求していた事実を窺い得るばかりか、他に特段の事情の認められない本件では、上記解除の意思表示が、その前提たる催告の時から約五年四ケ月を経過した後になされたからといつて、その一事だけで、これを信義則に反し無効であると認めることは相当ではない。

(土井 兼築 矢ケ崎)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!